活動リポート(海外出張編)

デンマーク&スウェーデン出張日記

 9月8日から14日まで、デンマークおよびスウェーデンを訪れました。デンマークでは「食と安全」、スウェーデンでは「障害者雇用」、「子どもの人権」、「ITとバイオテクノロジー」をそれぞれテーマとして、フォーラムに参加したり関連施設等の視察や意見交換をしてまいりました。

 9月8日(土)
 正午過ぎ、スカンジナビア984便にてコペンハーゲンへ飛び立ちました。同日夕刻にデンマークに到着し、バスを駆って宿泊先兼フォーラム会場である古城、Hvedholm Slotへ向かいました。左右に広がる田園風景は実に穏やかで、刈り入れの済んだ畑が延々と続きます。時折、放牧の馬、牛、羊の群れを横目に、遠方にはゆったりと羽根車を回す巨大風車が転々と観察されます。立ち寄った休憩所で、早速、今回最初のお買い物。デンマーク人にとっては昔なじみのスナックを求めました。豚の皮を一口大にして揚げたスナック菓子ですが、ラードの脂っぽさと特有のけもの臭に、同行者の評価は・・・。ようやく日が暮れかけた20時頃に無事、宿舎に到着しました。16世紀に建てられた、とある貴族の住まいであるこのお城には、‘グリーンレディー’と呼ばれる幽霊が住み着いているという噂があるとか。どんな貴婦人が現れるのか、などと思いつつ、ベッドに横たわるやいなや深い眠りにつきました。

 9月9日(月)
 早朝より宿舎前の池で遊ぶ鴨のにぎやかな声に起こされ、朝食前に敷地内を散歩しました。きりっと冷えた朝の空気はとてもすがすがしく、鴨の声を除いては、回りに物音一つ聞こえないデンマークの田舎にどっぷり浸りました。スカンジナビア地域は今夏、100年に1度といわれる好天に恵まれ、9月にはいっても平均気温25度前後の素晴らしい晴天続きです。例年、この時期は晩秋の頃、かなり寒さを感じるそうですが、残暑の厳しい日本からやってきた私にとってはありがたいほどの気持ちよさです。勢い、食欲ももりもり。朝からデンマーク特産のハムやチーズ、焼きたてのパンをほおばり、準備万端でフォーラムに臨みました。
 今回のデンマーク出張の目的は、デンマーク農業理事会主催の『食と暮らしのフォーラム 2002 inデンマーク』に参加することです。日本側出席者は、私と随行の政策担当秘書の他に、エッセイストで料理研究家の壇晴子さん、タカキベーカリー・広報室長の林賀子さん、全国消費者団体連合会の日和佐信子さん、日本生活協同組合連合会・くらしと商品研究室長の小沢理恵子さん、千葉コープ・商品検討専門委員の加藤雅代さん、農林中金総合研究所・常務取締役の蔦谷栄一さん、フジテレビ商品研究所・メディア開発室主任研究員の相良和彦さん、エス・ロジックスM食材事業部の矢田安正さん、(株)フォーシーズ・業務本部本部長齋藤竜太郎さん、フードサービスコンサルタントの道畑美希さん、女子栄養大学教授の村上紀子さん、そして、デンマーク農業理事会・日本事務所の小野澤鉄彦駐日代表と伊藤嘉弦也さんです。
 8時半の開会式、デンマーク農業理事会理事長・Peter Gemelke氏の基調講演においてデンマーク農業の現状と特徴、重点政策を学び、冒頭から熱心な意見交換が始まりました。続いて、「デンマークのライフスタイル」について、生活・メディア評論家のHenrik Byager氏から話を伺いました。‘ヒュッケ’というデンマーク語に集約される、デンマーク人的ライフスタイルの主たるイメージというのは、「人々が木の周りに集い、夜には星が輝く」ものだそうです。このヒュッケの中心に位置するのが、家畜をいたわり家族で助け合いながら働く‘農民’であることが、デンマーク農業の基本を成しているのです。
午後の議論のテーマは「消費者と業界のハーモニー」です。両者間の調和をどのように維持しているのか、なぜ調和を図ることが大切なのかという論点について、デンマークの農業関係組織・団体、民間企業および消費者団体から意見を伺いました。現下の重要争点は「食品の安全性」、「動物の福祉」、「環境問題」であり、それぞれの課題に対する具体的な取り組みの実例と成果について貴重な報告を受け、質疑応答に午後一杯を費やしました。
 夜になり、日本、デンマークの出席者がともに夕食のテーブルを囲み、今日のフォーラムを振り返って、あるいはそれぞれのお国自慢などを楽しく語らいました。

 9月10日(火)
 二日目も引き続き、デンマークではいかに業界と消費者のあいだで信頼が築かれてきたか、その取り組みの詳細を学びました。‘農場からフォークまで(From Farm to Fork)’と表現されるデンマーク方式について、どのように食品の安全性が確保されているか、そのために業界と当局がどのような協力関係を育んでいるのか、それに対してデンマークのメディアはどのような役割を果たしてきたか、デンマークの食に関わる地道かつ包括的な取り組みが披露されました。BSE問題をめぐりスキャンダル続きのわが国とは異なり、未然にBSE発生を確実に予測し、十分な予防策と対応策を構築し、それを効果的に展開したデンマークの経験に多くを学ばせてもらいました。
 フォーラムの締めくくりのディナーでは、同国の美味しく安全な素材をふんだんに使った、大変素晴らしい料理の数々に舌鼓をうちながら、参加者全員が今後の再会を約束して別れを惜しみました。
宿舎の古城の前で
宿舎の古城の前で
フォーラム風景
フォーラム風景
真剣に講義に没頭
真剣に講義に没頭
デンマークの乳製品を試飲
デンマークの乳製品を試飲
日本側出席者の皆さんとご一緒に
日本側出席者の皆さんと
ご一緒に
Tor Tolstrup氏と意見交換
日本特派員経験もある司会者
Tor Tolstrup氏と意見交換
ディナーの席上で挨拶
ディナーの席上で挨拶
9月11日へ続く>>